セミ採り

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セミ採り

いつも子供を連れて行く公園。 この年はセミが異常発生して、アブラゼミがかなりうるさく鳴いていたので、「よし!セミ採りしよう!」 カゴとアミを持っていった。 私はアミなんていらないんだけどね、手でぽすっと採っちゃうから。 だけど子供はやっぱアミで採りたいらしくて(めんどくさいやつ)、 「そこにいるよ〜。そ~っと近づいてね〜」 そう助言をしながらも、採るのは子供に任せてた。 いざ! えいや! と子供がアミをセミに被せたと思ったら、ビビビ〜って飛んでっちゃった。 がっかりする子供に 「あ〜、残念!惜しかった〜」 と励ましてた所で。 「あ~、下っ手くそだなぁ〜、そんな採り方じゃだめだよ〜」 と言いながら、どっかの知らないじじぃが登場。 子供、知らないじじぃに言われしょげる。 私、このくそじじぃ!とイラッくる。 私の励ましを無駄にしたじじぃめ、許さん! 「あなたなんなんですか!(怒) 子供が楽しんでやってんのに、なんですか、その言い方は! ほっといてくださいよ!」 言ったった。 じじぃ、思ってもみなかったであろう母親からの逆襲に狼狽え、そそくさといなくなった。 暫くムカムカ怒りが収まらなかった私は、素手でセミをガシガシ捕まえ、子供に渡したわ。
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