冷たい彼女

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 リビングに行ってテレビを点けた。ニュースをやっている。和志はスマホを弄りながらニュースを聞いた。弥生からラインが来ていた。 『今日いきなり告っちゃってごめんね。今度の土曜日ライブに行かない?和志くんが好きだって言ってたバンドを観に行こうよ。もちろん友達としてでいいから』  弥生はきっと手が温かいのだろう。生きてるから。冬に手を繋いでも問題がない女子だ。 『いいよ。何処でやるの?』 『東京ドーム。遠いから快速で行こうか?』  二葉が知ったらどう思うのだろう。怒るか泣くか。でもお母さんが言うように二葉は成仏はしないといけない。 『明日、二葉に言うよ』 『え?お墓に行くの?』  弥生は和志が二葉と帰ってることを知らない。言っても問題はないが驚くだろう。 『それは内緒だ』  和志はそうメッセージを送って独り言を言った。 「二葉は複雑だろうな」  次の日に学校へ行くと自分の席に着く。席は一番後ろだ。くじで決まった。弥生が目の前の席に座って言った。 「チケット今日取ろうと思うの。東京ドームって行くの初めて。早めに行って軽くなにか食べようか?」 「うん、そうしよう。二葉も好きだったんだ。あのバンド。僕よくギターで弾いてあげたんだよ」  しんみりしてしまったので和志は笑顔を見せた。弥生は頷いた。  今日はぽかぽか陽気だ。教室の窓からは陽射しが眩しい。二葉が応援してくれているようだ。思い上がりか。
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