冷たい彼女

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 学校が終わった。今日は部活だが休むことにした。二葉に話をしなければならない。歩道を並んで歩くと和志は思い切って言った。 「土曜日に弥生とライブに行ってくるから」 「そう、どこまで行くの?」 「東京ドームだよ」  和志はドキドキした。怒るだろうか。 「弥生と付き合うの?」 「分からない。でもお母さんに言われたんだ。二葉を成仏させろって」  二葉は泣いた。和志は手を繋いでみた。とても冷たかった。二葉は手を振り払って駆けて行った。複雑な心境なんだろう。  土曜日になった。和志は花柄のシャツの上にベージュのニットを着る。下はデニムを穿いた。コートはチェスターコートを着ていくつもりだ。  一階に行ってお母さんに言う。 「今日、弥生とライブに行ってくるから」 「そう、二葉ちゃんのことどうするの?」 「この前言ったよ。泣かれちゃったけど仕方ないと思う。このままじゃ良くないだろう」
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