冷たい彼女

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 夕飯は豚汁に生姜焼きだった。両方とも豚肉だ。豚肉はビタミンBが豊富だとお母さんはよく使う。  次の日は七時に起きた。ロング丈のチェックのシャツを着てその上にシャツより短いニットを着る。下はデニムを穿いた。お墓参りだけど法事じゃないのでラフな服装でもいいだろう。  十時に家を出る。商店街の花屋で黄色と紫の花を買った。スポーツドリンクも供えてあげよう。二葉は炭酸飲料はあまり飲まなかった。  電車の中で立ちながら窓の外を見る。今日も風が強いので不動産屋ののぼりがはためいている。空は一月よりも青くなったようだ。もうすぐ河津桜が咲くだろう。  駅からバスに乗った。バスでは座る。そんなに人は乗っていない。休日だからだろう。  お墓に着くと二葉の名前を呼んだ。 「二葉、来たぞ、出て来いよ」  二葉は制服姿で現れた。 「和志くん、お花を持って来てくれたのね」 「ああ、スポーツドリンクもあるよ」  和志は微笑んだ。二葉も嬉しそうに笑う。線香に火をつけ墓石の前に置くと柄杓で水をかけ手を合わせる。二葉は横でその様子を見守った。
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