冷たい彼女

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 二人で門を出た。街路樹が建ち並ぶ道を歩くとまた和志は手が繋ぎたくなった。 「手、繋いでもいいかな?」 「ケラケラ、ケラケラ」  二葉は笑って逃げる。 「付き合ってるんだからそれくらいいいだろう?」 「だって、私の手は冷たいもの。死んでるんだよ」  和志はハッと我に返った。二葉は死んで幽霊だ。それを考えていなかった。二月で梅の花が咲いたといえども寒い。それで冷たい手を握ったらますます自分も冷えるだろう。  沈黙が続く。結局駅まで黙ったまま帰った。ホームに行くと反対側のホームにいる二葉が肩を落として寂しそうに立っていたのを見とめた。  家に帰って二階に行くと制服からダボっとしたスウエットに着替えた。数学の宿題をやる。和志は英語と数学は苦手だ。だが、いい大学に行きたいし頑張らないといけない。  ガタンとカーポートから音がした。お母さんが帰って来たらしい。お母さんは運送会社の経理事務をしていて帰りにスーパーに寄って帰る。和志は階段を降りた。
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