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読んでいて、これが誰の台詞なのか分からないシーンが、多々あります。
例えばP27
「まぁ、なんと綺麗な」
これが伶美の台詞なのはすぐ分かります。
しかし次の「伶美様はご存じではありませんでしたか」が、誰の台詞か分かりません。
その後の「ええ。少し奥まったところにあるからでしょうか……」
これも伶美の台詞なのか、勝春の台詞なのか、桔平の台詞なのか分かりません。
その後の「ですが、今流行の洋風建築といったところですかね」もです。
こういう場合は、いくつか読者に台詞の主を、書かなくても理解させる方法があるので、実践してください。
まず、キャラごとの台詞の口調だったり、使用する漢字を変えて、台詞自体に特徴を持たせ方法があります。
例えば、勝春には「伶美様」と呼ばせ、桔平には「伶美さま」と呼ばせるなど、勝春の台詞には漢字を多用し、桔平の台詞には平仮名を多用する。
「伶美様はご存じでは在りませんでしたか」
「伶美さまはご存じではありませんでしたか」
これだけでも、だいぶ伝えることが出来ます。
他には、地の文を、勝春か桔平のどちらかの視点に寄せてやると伝えやすいです。
ただし、このシーンの場合は、一々台詞を誰が喋っているのか、会話の流れの邪魔をしない程度に挟む方が良いと思います。
ちょっとやってみます。
少し時を遡る。
勝春は伶美と桔平と共に、太輔の勤める小学校の前にやって来ていた。
「まぁ、なんと綺麗な」
「伶美様はご存じ在りませんでしたか」
勝春は驚いた伶美に、むしろ驚いた。
「ええ。少し奥まったところにあるからでしょか……。少々見つけにくいような」
伶美はしげしげと見回していて、桔平も同じように感心していた。
「ですが、今流行りの洋風建築といったところですかね。僕はあまり建築に関して詳しくはありませんが、ただところどころに和も感じられる――。良い学校ですね」
桔平は小学校を見つめ、回顧するかのように頷いた。
「桔平さんも懐かしくなりましたか?」
伶美が微笑む。
「ええ。ですが、今は安条家に居候の身。帝大生として勉学に励まねばと思いまして」
「そう」
伶美は視線を小学校に戻し、桔平と同じように見つめる。
このように、台詞の後に、その台詞を喋った人物の描写を入れてあげると、読者に伝わりやすいです。
まだまだ序盤なので、完結まで頑張ってください。( *˙ω˙*)و グッ!
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