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宮瀬杏さん
夜空を彩るは鎮魂の花
https://estar.jp/novels/25857481
まず本作は、ノンフィクション小説というジャンルなのですが、内容が「長岡まつり」の説明に終始していて、小説というより、レポート感想文みたいな感じです。
エブリスタでは、小説という「読み物」に仕立て上げてやらないと、やはり読者はつかないと思います。
ノンフィクションであっても、読者に感情を移入出来るような、ストーリー性を持たせた方が良いのではないでしょうか。
ワタクシのお友達で、東日本大震災のノンフィクションを書いているTinATaca氏の「それでも、明日を見つめている」みたいな作品だと、読んでいて、自分もその場にいるかのような感情移入が出来るのですが、本作の場合、観光パンフレットを読んでいるような気になってしまいます。
長岡まつりや、フェニックス、中越地震の説明に終始せず、読者がその場にいて、同じ体験をしているようなストーリーを入れてください。
例えば、中越地震の説明のところで、震源地から遠く離れている自宅でさえも、震度5弱の揺れが観測された。
だけの一文ではなく。
実際に地震に遭遇して慌てふためき、テレビを点けると震度5弱のテロップが出ているとか、錦鯉の養魚池が崩壊して鯉が流されているシーンとか、道路が崩れて車が飲み込まれ、レスキュー隊が幼い男の子を救出するシーンとか、そういうシーンをストーリ仕立てにして、リアルに表現するだけでも、読んでいる読者に臨場感を演出して、物語りに惹き込ませることが出来ます。
ノンフィクション小説であっても、情報を淡々と描きだすのではなく、やはり登場人物を出して、会話をさせたり、やり取りをさせたりという物語り性は必要なのではないかと思いました。
あと、後書きを読んでいてふと思ったのですが……。
長岡空襲の慰霊の為の花火ってありますけど、
空襲でお亡くなりになられた方は、大きな爆発音に怯え、逃げ惑い、炎と煙に焼かれて、恐怖に震えながら命を落としているんですよね?
そんな彼らにとって、大きな爆発音がして、光と熱と煙を放つ花火って、恐怖の対象なんじゃないでしょうか?
僕だったら、やめてくれぇー。静かに眠らせてくれー。って逆に成仏出来なさそうですけど……(;^ω^)
もっと他のことで慰霊してあげた方が良いのでは? と、思ってしまいました。実行委員の方、クレームではありません。あくまでも個人の感想です。
怒っちゃやーよ!by志村師匠
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