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妖怪変化。序章「紛失」
葛西竜哉 書き出しVer
廃墟と化した夜の建物の中。四つの人影が息を潜めている。
――ブーブーブー。
胸ポケットのスマートフォンが振動し、銀髪の男がそれを耳にあてた。
「何だと、見失っただと!」
静まり返った闇の中に、銀髪の男の怒声が響く。
「シーッ! 静かに」
隣にいた女が人差し指を口の前に立てた。
「バカが」
銀髪の男は怒りのあまり、スマートフォンを握りつぶしそうになる。まったくもって、役に立たない。どうにかならないものかと、またしても呆れた。
『お願い。探すの手伝って! これがバレたら僕殺される!』
電話の向こうから、泣きそうな声が訴えてくる。
「バカは死なないと治らないって言うし、別に良いんじゃねぇの?」
『酷いよ……。何でそんなこと言うの! 僕が死んだら皆悲しっ――』
ブチッっと乱暴な音がし、電話が切れた。
話すことがバカバカしくなった銀髪の男が、容赦なく電話を切ったのだ。
すぐに折り返しの電話がかかってきたが、銀髪の男はそれを無視した。
「うーん、でもどうしましょうか。このまま放置したら危険ですよね?」
怒りが治まらない銀髪の男を宥めつつ、女が他の二人の男に話しかける。
「どうするって言われても……ねぇ?」
糸のように目の細い男が、困ったようにもう一人の、黄色いニット帽をかぶった男を見つめ、目が合ったニット帽の男も、困った顔をした。
そのまましばらく無言の時間が続いたが、糸目の男が深くため息を吐いたのを皮切りに、銀髪の男が口を開く。
「やれやれ……。仕方がない。我々が捜すしかなさそうだな」
「OK。じゃあ、出発進行ね」
女がニヤリと微笑む。
そして、闇夜に四つの影が紛れて消えた。
こんな感じでどうでしょうか?
会話の「」の中に、! とか、!? とか、記号を乱発すると、ラノベ調というよりも、ラブコメ調になりがちなので、ファンコメ調から方向転換するなら、少し控えめにした方が良いと思います。
ページの文字数もまちまちなので、ある程度揃えた方が良いでしょう。
あと、P77辺りから、序章の四人組が再登場するのですが、いちいち「糸目の男」とか「ニット帽の男」とか「銀髪の男」と表記しなければならないので、最初から名前を出した方が良いような気がします。
検討してみてください。(*´∀`)ノ■はい、チョコ
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