ももたろうさん

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ももたろうさん

千間堀横丁捕り物覚え https://estar.jp/novels/25836572 本作はシリーズ化されているので、一応4まで読ませて頂きました。 まず、世界観なのですが、これは中々面白いと思います。 ただ、歴史ジャンルということで、尚且つこういう形態の文章だと、読んでくれる読者は少ないかなぁ……と思います。 まず地の文章がしっかりしていないので、今のシーンのメインキャラクターが誰なのか分からないところが、多々ありますし、逆に地の文章がなくて、会話が落語みたいな掛け合いになってしまっているところもあります。 まぁ、この落語調なのは、これはこれで、リアリティもあって面白いので良いのですが、作品全体を通して、回顧調でリアリティが感じられず、時代劇の映画やドラマを観ているようなリアルさが感じられません。 例えば、P6 兼吉はお茶を一口すすると、「それで、どうしなすったのですか。大まかには仙太から聞きましたが、お嬢さん昨晩家に帰っていないということですね」と切り出す。 このシーンみたいに、台詞を地の文で囲むと、回顧調になりがちなので、台詞は台詞、地の文は地の文と、分けた方が良いです。 次に、事件の仔細を聞くシーンを、リアルタイムで表現せずに、回顧調にしている場合がありますが、その場合はそのシーンの視点は、兼吉か仙太にしなければ辻褄が合わないので、読者が混乱します。 個人的には、P7の辺りも回顧調にしないで、兼吉と仙太に、直接弥吉から聴き取り調査をさせた方が良いのではないかと思いました。 あとは……述語で終わらせていないので、文章が中途半端なぶつ切りみたいに感じるところが多々あります。 例をあげるとP8の、連続した文章の文末です。 繋がるのが相場。 避けていたのかもしれない。 思いたいのが親心。 確認せずにはおられまい。 時として、部分的に入れるのは有りですけど、連続してはやり過ぎです。 文章として成立しなくなるので、結果、読者に読み辛いと思われてしまいます。 逆に、切らずに続けた方が良い場所も多々あって、例えば例を挙げるとP11 仙太は、後ろを振り返ると、新之助が二人を見送っているのか、その場に立っているのが見えた。仙太はお辞儀をする。 このくらいの長さの文章の時は、仙太はが2個入るとウザったいので、 立っているのが見えたので、お辞儀をした。で良いと思います。 次に時代小説なので、台詞で伸ばす言葉のとき「ー」は使わない方が良いです。世界観が壊れるように感じます。 本作では、「まーそうだろうな」とか、「いやー仕事の邪魔をして、すまね」とか結構使用されています。 江戸っ子の使う形容詞って、現代の岡山弁と同じなので、岡山弁でやってみますが、 現代の言葉 「おまえは、子供に甘いなー」 本作の言葉 「おめーは、子供にあめーなー」 岡山弁表現 「おめぇは、子供にあめぇなぁ」 「てやんでー」より、「てやんでぇ」の方が江戸っ子っぽくありませんか? 捕り物帖でありながら、大捕り物もなかったですし、ツッコミどころはまだまだあるのですが、専門分野ではないので、これくらいにしておきます。 時代小説のジャンルは書き手も少ないですから、人気作家になれるように頑張ってください。 ( *˙ω˙*)و グッ!
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