CKさん

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続きです。 まず最初の台詞。 「おっ、何か始まりそ」 これが誰が何の目的で発した言葉かが、初見のときに分かりませんでした。 普通に考えれば、ライブホールにいる観客の中の一人が発した台詞なんでしょうけど、直前の「一斉に歓声が沸き起こる」と、直後のこの台詞に、温度差があり過ぎです。 順番が逆だったら、すんなり理解出来ると思います。 観客を煽るように、ライトが一気に落とされる。 「おっ、何か始まりそ!」 その瞬間、フロアから一斉に歓声が沸き起こった。 こうしてくれていたら、初見の時に読み返さなくても、理解が出来たと思います。 次のページもそうです。 この段階では、読者はティエラのメンバーを知りません。 で、「―――遥人?」 背後から自分を呼ぶ声が聞えたような気がする。 と続いて、初めて読者は現在「遥人」の視点で物語が進んでいることを知るのですが。当然まだ他のメンバーのことも知らなければ、遥人が最年少であることも知りません。 「えー僕? 呼んだ?」 「最年少余裕か」 と続いた「最年少余裕か」という台詞も、誰が誰に向かって、どういう意図で喋った台詞なのか、初見では分かりませんでした。 なので、ここには喋った人物の描写が欲しいです。 「えー僕?呼んだ?」 振り返ると遥人と同じパフォーマーの零生が、遥人に微笑んでいる。 「何だ。最年少、余裕かよ」 「まぁね」 ピリピリムードが漂う中でも、普段と変わらないように見えたのだろう。 「さすが大物」 零生は軽口を叩きながら、目で合図を送って来た。 こういう書き方にして頂くと、誰が誰に向かって喋った台詞なのか理解できます。 P5 「彼が飽きれば、たいてい遥人も飽きて投げ出す」 これは台詞と言うより、家族の思惑的なものですよね。だとすると、「」で閉じるのもさることながら、『彼』という表現に違和感を覚えます。 二番目の兄とか、下の兄とかで伝わるし、違和感もないんですけどね。 いちいち二番目の兄、と表記すると、正直くどいと読者は感じるかもしれないので、そういう意味も含めて、最初から三人兄弟の末っ子という設定をやめて、兄は一人で良いのではないかと思いました。 それから逆に、台詞なのに「  」が無いところもあって、例えばP6、飲み物買ってくる、そう仲間に声をかけると、とか、P2、そして、今日は審査ないからノープレッシャーやんと笑って続けた。とかですね。 P13辺りから、いつメンが出て来始め、誰がこの台詞を喋っているのか分からないという台詞が増えて来るのですが、まぁ、直接物語りの進行に関係のない脇役たちなので、この辺りは問題ないと思います。 次に物語りについてですが、本作は、設定の流れ上、仕方ないのかもしれませんが、プロローグの次から、過去の説明に入って、それが結構長いので、僕はちょっとこの辺りはいらないかなぁ……と思いました。 僕だったら、P4~P12は省略して、読者がある程度物語の世界観の中に入ってくれてから、小出しに出して行きますかね。 ある程度物語が進んでから、 「なぁ、遥人はいつからダンスやってんの?」 と、ゆづ季あたりに聞かせて、 「俺三人兄弟の末っ子なんだけど、真ん中の兄ちゃんがさぁ」 みたいにシーンの会話の中でオープンにしていく感じにします。 長編小説は、やはり最初に世界観の説明や、現在に至るまでの過去の説明は、やらない方が良いです。 やはりねぇ、それをやってて人気になってる作品は少ないと思いますよ。 オーディションをテーマにした、エブリスタでは珍しいジャンルの作品ですし、それなりにスターが入っていて読者がついてくれているようなので、引き続きエンディングまで頑張ってください。 ( *˙ω˙*)و グッ!  
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