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「いつもふたりで」の書き出しが悪いと書きましたが、ここまで僕のエッセイを読んで勉強されているのでしたら、何が悪いか分かると思うんですけどねぇ……。
分かります?(´・ω・`)
この作品の書き出しのダメなところは、僕のこのエッセイの5ページ、初心者簡易講座の章に書いてあります。
そこに書いてあるんですけど、携帯小説でやっちゃいけないことの一つに、世界観の説明や、現在の状況を説明するために、過去から現在に至るまでの経緯、それに登場人物の細かい紹介があります。
本作は、まゆみちゃんと理斗くんの紹介がガッツリ書いてあるんですよ。これがいらないです。
この辺りの説明は、二人の会話で、さり気無く読者に伝えてください。
例えば、
「いらっしゃい。今日はノー残業デーなの?」
「ああ、食品メーカーの経理の仕事なんて、忙しいのは月末だけさ」
本屋敷理斗は、笑顔で迎えてくれた長身でスラリとした、バーテンダーの美女まゆみに微笑んで答える。
「ふーん、そっか。で、何を作りましょうか?」
「そうだなぁ……最初はジントニックにしようか」
まずはシンプルで軽い飲み口のカクテルを頼んだ。
「はい。かしこまりました」
複数の飲食店が入る八階建てのビルのワンフロアに入るこのショットバーは、カウンター席が十五席、テーブル席が四つあるやや広めなバーだった。
理斗はジントニックを作るまゆみを見つめた。
白の襟付きシャツに黒のベストと、黒のパンツスタイルで、髪は頭の上で纏めている。
「はい、お待たせいたしました」
まゆみはすぐに、ジントニックをを提供してくれた。
「有難う」
理斗はお礼を言うと、そっと口をつけて、ジントニックを口に含む。
「美味い」
スッキリとした飲み口に満足した理斗は、続けざまにジントニックを口に運び、あっという間に飲み干してしまった。
さてと次は……
「まゆみちゃん、次はグラスホッパーを」
「かしこまりました」
そう言って微笑んだまゆみの笑顔が温かい。
まゆみは慣れた手つきで、グラスホッパーを作り始めた。
こんな感じで、会話の中に情報を紛れ込ませると、読者に対して説明臭くなく、スマートに情報を提供することが出来ます。
この小説の良いところがあれば……ということですが、文芸小説としてはあるのかもしれませんが、携帯小説の観点から言うと、特に良いと思うところは無いように思います。
彼女と出会って、その彼女に浮気を疑われて、結局浮気じゃなくて、従妹だったという話ですよね?
唯菜ちゃんと出会ったシーンの辺りも、リアルタイムのシーンじゃなくて、回想の説明みたいになってしまっているし、誕生日プレゼントのシーンは良いですけど、そこ以外は結局状況説明に終始しているので、読者に感情移入をさせる為のリアリティに欠けてしまっています。
P5の将棋のシーンは会話があって良いんですけど、会話だけになってしまっているので、地の文を挟んで表情や身振り手振り、仕草なんかを読者に映像として見せてあげると、リアリティ感が増します。
P6の別れを言いだすシーンについては、まったく臨場感が無いので、ここはある意味、この小説の見せ場ですから、もっと生々しい感じを表現してほしいです。
この6ページが、一番文章の長さ的には良いです。
7ページ、8ページは長過ぎます。
P6の
理斗はまゆみのことだと察して、 から台詞
P8の
唯菜は表情をほころばせ、 から台詞
こういうのはやめた方が良いです。
台詞を言ってから、唯菜は顔をほころばせた。で、いいと思います。
ということで、水翔さんの作品って、他の作品もですけど、状況説明の部分が長いんですよ。
エブリスタ読者が読みたいのは、俳優が演じるドラマであって、長々とナレーターが語る番組ではないってことですから、状況説明も地の文だけでやらないで、登場人物にやらせてください。
ということで、
残念ながら今回もチョコは差し上げられません
(´-ω-`)あしからず。
残念賞をお持ち帰りください。
残念賞は桜瀬ひなの爪の垢です。煎じて飲んでください。( *´艸`)
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