ひの 朱寝 さん

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わたしに弟という存在が出来たのは、中一の夏のことだった。 は数年前から、離れて暮らしているお母さんとの待ち合わせ場所に突如として現れ、無邪気にわたしの手を握ろうとヨタヨタと歩いていた。 こういう風にしてくれると、最初の段階で読者は、主人公が母親と離れて暮らしていて、久しぶりに会った場所で、一歳半の太陽と言う名前の弟を紹介されたということが、分かり易いです。 そしてページを捲って、主人公の母が再婚して、再婚相手との間に出来た弟と、一緒に暮らすことになったことが明かされるのですが、この最初の文章がせっかく良い手法を使っているのに、行間無しの字詰まりで、ごちゃごちゃして分かり辛くなっているので残念です。 この最初の一行は、 離れて暮らしていたお母さんと、一緒に暮らせることになったから。 にした方が良いと思います。 後少し気になったのは、平仮名が続くと読み辛いので、漢字かカタカナに変えた方が読み易いです。 例えばP2、小さないのちをなんとかしてほしい。 全部漢字にすると、小さな命を何とかして欲しい。 おそらく幼い弟が出て来るシーンに合わせて、ひらがなを多めにして、いのちという単語も平仮名にしているのではないかと思いますが、せめて「何」くらいは漢字を使ってください。 小さないのちを何とかしてほしい。 こうすると、幾分読み易くなります。 どうしても漢字を使いたくない場合は、読点で区切っても良いです。 小さないのちを、なんとかしてほしい。 後、P5なんですけど、電車を乗り継いでくる距離の祖父母宅から、来たのだから、当然中学校は転校したはずなので、主人公が自ら、母が再婚して弟と一緒に暮らし始めたことを自己申告しない限り、弟が「出来たこと」を知っているクラスメイトは一人もいないのでは? と思いますけど。 学校では今までと変わりなく。 これも同様に、転校して新しい環境のはずなので、今までと変わりなく、ではないと思います。 長くなったので、ページを変えます。
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