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P70
部長が専務に対して発言した台詞なんですけど。
「新規事業が軌道に乗れば、それはそれで我々としてもしめたもんですし」
ここも「してもしめたもんですし」と、平仮名が続くので、読点で区切った方が良いです。
なのですが、実はこの文章の問題はそこではありません。
こういうのは、中高生クリエイターのみなさんは、どこが悪いのかおそらく分からないと思うんですけど、敬語です。
美琴ちゃんくらいの歳の子なら、こういう発言でも許容されますが、40歳を過ぎた部長職の人間が、上司である専務に対しては、ら抜き言葉やい抜き言葉など、略語を使用するのは失礼にあたります。
「我々としても、しめたも「の」ですし」が正解です。
オフィスものの作品を書くときは、こういうところにも気を配ると、より一層リアリティが生まれます。
逆に、部長が専務や副社長にタメ口で話している作品だと、この作者は中学生なの? 中学生が書く大人の恋愛小説なんて面白いの? って思われちゃうので、大人の恋愛ジャンルを書くときは特に気をつけてください。
P72
これは賛否両論あると思うのですが、このシーンで副社長の野田俊介と、部長の相馬忠文の二人だけになります。
このシーンでの地の文で、お互いを現わすのに「副社長」と、「部長」を使用されています。
僕だったら、それぞれの名前を使った方が、そこにいるキャラに寄せられる気がするのですが、まぁ、これは正解がどうなのか、ちょっと分からないです。
部長は照れているのか頭をかいている。
この文章は、三人称の地の文でありながら、一人称の地の文になっていますよね?
純粋な三人称の地の文なら「部長は照れて頭をかいた」になるからです。
つまり、この地の文は、副社長の野田俊介の視点ということになります。
このパターンでいくのでしたら、相馬部長の人称は「部長」のままで構いませんが、副社長野田俊介の人称は「俊介」とかにしてやると、超一人称寄り三人称の地の文になるので、読者に寄せれるのではないかと思うんですけどね。
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