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次に状況とか、舞台設定を説明してから台詞が始まっています。
例を挙げるとP31
ここは自分が話した方がいいかと感じたユウナギは男に、よければ身の上話をして欲しいと言った。
昨夜、隣人から少し話を聞いたので、力になればと。なんせこちらには体力腕力に関しての専門家がいるのだから。
それを聞いた男は、堰を切ったように話し始めた。
きっと誰でもいいから聞いてほしかったのだろうと、ユウナギは感じたのだった。
とあって、ここから、その身の上話が始まります。
これは順番が逆です。
まず台詞があってから、その台詞に対しての行動や解説を入れるべきだと思います。
作品を通して、ほとんどがこういう構成になっています。
ついでに台詞なんですが、先に地の文を入れたり、地の文で会話を挟むのはNGです。
例を挙げるとP41
彼女は彼に飛びついて言った。
「遅いよ。ずっと待ってたのに」
男は上擦った声で「えっ?」と聞き返す。
台詞を地の文で挟んだ場合、下の句に必ず「喋った」とか「話した」とか「言った」とか「答えた」という、会話をしたことを表す述語が必要になってしまいます。この例文の場合は、「聞き返す」です。
会話文ということは、会話をしている訳ですから、当然、言ったり、喋ったり、答えたり、聞き返したりしているんですよ。
なので、わざわざ「言った」とか「答えた」という述語は使う必要はありません。その分、その会話をしたときの、仕種や表情を書くべきなんです。
そうすることで、読者に映像で見せることが出来て、感情移入してもらえるのです。
台詞の前に地の文を入れてしまうのも同じで「必ず」話すとか、喋るとか、答えるとかいう、これからこのキャラが喋るぞということを知らせる為の、述語が必要になってしまいます。
従って、台詞が先、そしてその後に、その台詞を喋ったキャラの行動や表情を伝える地の文。というのが正解です。
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