Ten

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 力尽きた十和が俺の上に倒れ込んでくるのを抱き止め、労うように背中を撫でるが、それにも感じているようだ。 「すっげぇ気持ちよかった、十和」  静かに肌を合わせ互いの呼吸が聞こえる。1回ではまだまだ足りないが、好きな女との行為というのは、こういう時間にも満たされると十和を抱いてから知った。  しばらくして風呂へ行く。毎回恥ずかしがるが、初めての時に、愛しあった後の風呂は一緒にと教えたものを信じている十和も可愛い。  体力の限界の彼女とさっと風呂に入ったあと抱きしめて寝る。眠りの浅かったはずの俺が深い眠りにつける。  翌日から徐々に十和のバイトから始まる日常に、彼女も俺たちも慣れ自転車で帰った日には 「この距離じゃ、自転車と車と時間変わらないよ」  と十和が言い出したが、当初決めたように毎朝の送りと出来るだけ迎えも行く。穣さんによると、店に十和を見に来る奴が現れたらしいが開店後は彼女はいない。接触はなかったが、十和子を傷つけるなよと念押しされた。
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