Three

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 タケが調子に乗って‘とわちゃん’って…くそっ、俺より先に呼んでんじゃねぇよ。 いつもなら蹴りを入れるところだが彼女の前だ、我慢して様子をみる。  緊張して声は出せないでいる様子だが、何とか意思表示はしている。  さりげなく‘十和’と呼ぶことに成功したからタケの調子のいい事に 今日のところは感謝だ。 「とわちゃん、熱中症で倒れたところを彼が運んでくれたんだよ。 いま気分はどう?」 「…」 「タケ、yes か no で答えられるように聞け」 「うぉ、さすが暁仁。あっ、とわちゃん。あいつ暁仁、中田暁仁。 俺と同じ30歳」  こっち見た。コクン。 「じゃもう一度聞くね。頷くだけでOK。だけど何かあったら ちゃんと詳しく聞きたいから、絶対言ってね」  コクン。 「気分悪い?」 ううん 「痛いところある?」 ううん 「頭痛い?」 …… 「とわちゃん、頭痛いかな?」 ……  下を向いてしまった。
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