Three

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「タケ、場所変われ」 「えー何なに?診察中だよ」  無視してタケの座っていた椅子に座る。  下を向いてしまった十和にゆっくり声を掛ける。 「十和、そのままで大丈夫だ。知らない人は緊張するよな。 タケはうるさいが、いい医者だぞ。診察だけちゃんと受けて欲しい」  下を向いたまま、コクン。  30度程度の角度をつけたベッドで下を向く十和の腹あたりに そっと俺の手を掌の上にし開いて置く。 「手、乗せられるか?」  しばらくして、俺の掌に十和の親指以外4本がそっと乗った。 ぎゅっ握りたいところを耐える。ゆっくりだ。怖がらせてはいけない。 「いい子だ、十和。タケ続き」 「ハイハイ、とわちゃん、いま紹介された通りいい医者の俺の質問に答えてね。 頭痛いのかな?」 「…」ううん。 「十和、痛くはないけどなんかあるのか?」  俺の掌に触れた指がピクッと動く。タケを見て頷く。 「頭が重い感じ?」  …コクン 「…重くて…ぼぉー…って起きているのに…寝ている…みたいです」  
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