4866人が本棚に入れています
本棚に追加
彼女を知り合いのいる病院に運んだ。まあ、この街中はもちろん
隣街中にも知り合いがいるんだが。もっと正確に言うならば
意図せず、この周辺を治めている状態に7~8年前からなっている。
他人によると‘牛耳っている’ということらしい。
予想通り、彼女は熱中症で眠ったまま点滴を受けている。
「暁仁、ちょっといいか」
彼女の病室のドアが静かに開き、知り合いの医師、小野田武臣に呼ばれた。
病室を出て少し離れてから、タケが普段の軽い雰囲気でなく医師として話し出す。
「彼女、気になってる子なんだって?」
前の二人のどちらかに聞いたんだな。茶化す様子なく聞かれたので答える。
「そうだな。もう半年ほどもな」
最初のコメントを投稿しよう!