Two

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 彼女を知り合いのいる病院に運んだ。まあ、この街中はもちろん 隣街中にも知り合いがいるんだが。もっと正確に言うならば 意図せず、この周辺を治めている状態に7~8年前からなっている。 他人によると‘牛耳っている’ということらしい。  予想通り、彼女は熱中症で眠ったまま点滴を受けている。 「暁仁、ちょっといいか」  彼女の病室のドアが静かに開き、知り合いの医師、小野田武臣に呼ばれた。 病室を出て少し離れてから、タケが普段の軽い雰囲気でなく医師として話し出す。 「彼女、気になってる子なんだって?」  前の二人のどちらかに聞いたんだな。茶化す様子なく聞かれたので答える。 「そうだな。もう半年ほどもな」
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