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そうなのだ。コロナが大流行して、外出自粛どころか外出が禁止となり、食料はすべて政府管轄のセンターが届けてくれるようになった。毎週一回の献立表がスマホに、各家族の分量の食材は搬入ポストに届く。
ぼくの家は、今日の夕飯は大人2名、子ども1名分で、野菜や肉や調味料が、多くも少なくもなく、きっちりと配達される。
しかし、この前茨城のばあちゃんにオンライン通話して聞いたけど、茨城はぼくのいる愛知と違った献立だったなあ。ばあちゃんちは海のそばだから、比較的多く、魚が献立に入るらしい。
「リュウくんは嫌いなものも食べるられるようになってよかったじゃない」とばあちゃんは云う。
たしかに、配給されるものを食べないとお腹すくから頑張って食べる。
ピーマンやセロリがきらいなぼくは、前にママが作る料理がほんとによかった。細かく切って隠して、わからないように混ぜてあることがみえみえだけど、ママのアレンジは上手だったし。
もちろん今でも決まったレシピにそってママが工夫して作ってくれるけど、ね。
でも、これはすごくショックなことだけど、たとえハンバーガーショップに行きたいと思っても、もうどこもやっていないんだ。
ラッキーセットなんてない。ファストフードなんて、もうどこにもないんだ。悲しいことだよ。
ぼくはお皿の上のウィンナーを口にいれた。なんだか今日は口がうまく開かない気がした。
好きだったので一番最後にとっておいたウィンナーだけど、無理に口に押し込む。
一人用のパック牛乳で流し込んだ。牛乳もあまりすきではないけど仕方ない。
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