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愛とはそう言うもの
「なんで?誰かを愛するのに、性別って関係あるの?俺はいいと思うよ。愛に性別も種族も関係ないよ。だって誰かを愛するって素敵なことじゃん。それに他のみんなも心配してるくらいだから、絶対喜んでくれるって!」
よくも悪くも真っ直ぐなルイスに、シェリーがくすりと笑った。
「……そうだね!」
嬉しそうに笑うシェリーに、リュドミラの頬が緩む。するとそれを見たルイスがまた豪快に笑った。
「ダハハハ!こんな所でイチャイチャするなぁ!あっ、てかさあ。シェリーはリュドミラのどこが好きなの?」
興味津々、といったように二人の顔を覗き込むルイスにリュドミラは恥ずかしそうに声を上げる。
「ちょ、お前さあ」
「え?リュドミラの好きなところはねー」
「シェリーも答えなくていいから!」
「なあんでよ!教えてよ!ね?お願い!」
質問攻めするルイスと、ノリノリなシェリー。それを遮るリュドミラの三人。いつ終わるんだよ、とリュドミラが思っていた頃、ルイスがあっと大きな声を出した。
「ちょっとゆっくり帰ってきて!俺先帰るから!ね!ゆっくりだからね!」
ドタバタと走って行くルイスを、二人できょとんと見つめる。ルイスの事だから、先に帰ってパーティーの準備をしようと思い立ったのかもしれない。それを察した二人は、顔を見合わせて吹き出した。
「なんだそれ!」
「ほんと、お騒がせな船長だなあ」
ひとしきり笑うと、二人の間に甘酸っぱい空気が流れる。
「……ねぇ、リュドミラ。ほんとに俺好きだよ」
「うっせーよバーカ。俺の方が好きだから」
二人の影がまた重なったことは、沈みかけた夕日しか知らない。
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