幸せの先

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幸せの先

至近距離で見るリュドミラの目には、今までにないくらい真剣な色を宿している。 「うん。絶対俺のこと離さないでね」 花が咲いたように笑うシェリーに、リュドミラの心臓がドクンと跳ね上がる。だが、それとは違う動機がリュドミラを襲った。 「でも待って、みんなになんて言おう?」 その言葉に、シェリーがあっという顔をする。 「どうしよう?フラーちゃんは知ってるけど……」 他の船員たちがどう思うか。おそらく何も言わないとは思うが、受け入れてもらえるとは思えない。このまま隠し通すか?と、リュドミラが思考を巡らせていると、大きな手がポンと頭に乗った。 「上手くいってよかったぁ!おめでとう!」 リュドミラとシェリーがはっと顔を上げると、太陽のように笑うルイスがいた。戸惑う二人をよそに、ルイスはニコニコ楽しそうに話し出す。 「みんな心配してたんだよ?どうなるのかなーって!ほんとにおめでとう!」 え?受け入れてくれた?それよりみんなって?と頭にはてなマークを沢山飛ばす二人に、ルイスは首を傾げる。 「え?何?バレてないと思ってたの?アハハハ!リュドミラわっかりやすいんだもん!気付かない方がおかしいよ!」 豪快に笑うと、二人の背中を押して歩き出した。 「ほら!そうと決まったら早く帰って報告しないと!そうだ!今夜はお祝いパーティーしようよ!」 ルイスに背中を押されるが、リュドミラがなんとか踏みとどまってルイスに向き直る。 「おかしいと、思わないの?俺たち男同士だよ?」
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