再登場

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再登場

果てしなく広い海、どこまでも続く青空。そんな空を見上げながら、シェリーは一人物思いにふけっていた。 「シェリー、どうしたの?」 隣に立ったのはこの船の船医を務めるフローレンス。差し出された日傘に入りながら、シェリーは少し俯いた。 「浮かない顔してるけど、もしかしてリュドミラのこと?」 船医というのは、随分と勘がいいようだ。シェリーが顔を上げると、フローレンスは少し困ったように眉を下げた。 遡ること半刻ほど前。 「ねぇー!俺そろそろ遊びたい!」 気ままな船長のお達しで、エイヴリー海賊団は丁度近くにあった港に船を停めた。 まではよかったのだが。 「あら!こんなところで会うなんて奇遇ね、ルイス!!」 船を停めてすぐ、見慣れた少女が甲板に登ってきた。 「……なんでお前がいんだよ」 不機嫌そうに眉を潜めたルイスが、“少女”もといレベッカを睨み付ける。 「私たちが先にいたのよ?もしかして、ルイスが私を追いかけてきたんじゃなくって?」 相変わらず少しズレた思考回路は、ルイスの癇に触ったらしい。 「そんなわけないじゃん、いい加減にしてくれない?ほんとにお前めんどくさいわ」 ルイスは吐き捨てるようにそう言うと、一息つきに来ていたエリックに声をかけた。 「エリック、こいつ船から追い出しといて。あとチヨメは船内から出さないでね」 それだけ言うと、ルイスはレベッカを押し退けて船を降りてしまった。
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