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旅行に行こう
百鬼姫の越境 卒業旅行と黄金都市伝説編
市立狐霊堂学園高校には結婚ラッシュがあった。
理事長の稲荷山宗春と、小田切インダストリアルの社長令嬢、小田切榮のデキ婚は幸せいっぱいに挙行された。
あーあー。お腹大きくなってたわね。
まあいっか。鵺春とおにぎりの婚礼。ププ。
まあ、私達もどっか行く？お泊まりデートなんかどうよ？
でも。どこに行ってもキャーキャー言われんのよねえ。
皇女百鬼姫、百々宮紀子は、ソファーに寝っ転がって、飼い犬の頭を撫でながら考えた。
私は皇女だし。お忍びデートなんか出来ないって。
しかもこいつも問題だし。
彼氏の風間静也もねえ。何か下手なアイドルより有名人だし。
まあねえ。闇のゴールデンウィークを解決したみたいに見えたし。
それはほとんど紀子の所為だった。
闇のゴールデンウィークの一部だった蘇我入鹿の残りカスを祓魔する際、
行くわよ静也！私達の最後の戦いよ！
とか言ったから。
本当ではないが嘘ではない。という奴だった。
実際私達にとっては最後だっただけで。
首謀者は羅吽だったが、とっくに事態の中心は羅吽から禍女の皇に移っていて、それを退治したのは師匠の魔上皇、勘解由小路降魔だった。
事態は、神ハデスとニュクスとの、世界を巡る戦いになっていて、私はただ静也と突っ立ってただけだったし。
まあ、今上映中の小鳥遊山椒のドキュメンタリー映画、ゴールデン・ダークネスでは勘解由小路の出鱈目な解決ってオチがついてこいつただの犬になったのに。
何でこいつこんなにモテるんだろう？
まあイケメンなんだろうし。
まあこうしてマンションでイチャイチャするのはいいが。
ベランダの方を見ると、でっかい鳥と赤ん坊が騒いでいた。
「のいのいいいいいいい！のいのいは何でのいのいなのおおおおお？！べーはのいぱいに挟まれたキュウリでちゅ！のいのいいいいいいい！」
外に出るとまあ、こいつがいるし。
あんな１歳ちょっとの赤ちゃんがシェイクスピアにオスカー・ワイルド気取りか。
キューカンバーサンドイッチなんて発想はどう考えても上流階級的思想が見て取れるし。
まあ可愛いのは可愛いんだけど、最近鬱陶しいのよ流石に。
前に鞍馬山で祓魔した時は笛持って白沙被って現れたし。天狗の一党引き連れて。
あんなオムツ履いた牛若丸嫌だし本当に。
世間の目と勘解由小路緑。あれ等をかわし目立たず平和に一般人として行ける観光地なんか。
あ。あるじゃん。あそこが。
この前師匠が飛ばされた場所。やって来た無茶苦茶。犬と嫁と愛人。そんなフレーズが浮かんだ。
あったじゃんか。闇のゴールデンウィークとは全く関係ない、魔法の世界が。
英雄王が統治する世界。まだ観光も始まっていないから穴場だし。よし行こう！ＪＲ異世界！
「ねえ静也。あんた私と同じで大学推薦で入れたでしょ？実際もう学校ないし。ちょっと旅でもーーぎゃああああああああ！」
いきなり部屋着を捲り上げられた。
裏起毛のスウェットが捲れ、プルンとしたおっぱいが、かすかに揺れた。
「皇女は孕み頃！排卵日近い紀子のぷニュッとしたアリスちゃんの匂いを嗅がせてくれええええええええ！」
「お前ええええええええ！突然何する静也！ハウス！ーーあ♡」
「ローライズパンティーのクロッチをずらさせてください！ああいい！糸引いてるペロペロ！ペロポネソス戦争！スパルタ人めいた深いストロークでノリリンの岬の奥をおおおおおおおお！静紀いいいいいいいい！今日こそ孕めノリリン！ノリリンんんんんんん！！」
「のいのいいいいいいい！のいのいトゥー・べー、オア・ノット・のいのいトゥー・べー！これが問題でちゅ！のいのいいいいいいい！」
とりあえず、ブチギレ皇女のタイガー・アパカーが犬の顎に決まっていた。
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