鯉噛み村【短編】【下品】

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◇◇◇  佐々木さんにもらったエサをばら撒きながら鯉を眺める。たくさんの鯉が集まって口をぱくぱくさせている。頭悪そう。ぱくぱく。唇があつぼったい。唇?  試しに指を突っ込んでみたらぱくぱくされた。吸い付く。……。歯はない。  ……なんともいえない生ぬるい気持ちが沸いてきた。そして生臭い。 「俺、鯉をそんな目で見たことないんだけど~」 「俺ねぇよ」 「こっから嫁を選ぶの~?」 「嫁言うな」  ぱくぱく。嫁候補どもはひたすらぱくぱくしていた。  ようわからん気持ちのまま帰宅。親父に神事の内容聞かれたけど、言えないことになってるからって言ってかわした。つか言えるかよ。  真夜中、タカから泣きそうな声で電話があった。 「テルぅ。俺鯉調べてみたんだけどさぁ。ちょっつやばいかも~」 「やばいって?」 「鯉ってパッと見歯が無くてもさぁ。喉の奥に咽頭歯ってのがあるんだって~。それって10円玉曲げれるくらい強くてさぁ、奥まで入れたらちん○削れてなくなっちゃうかも~」 「ちょ、ま」  急いでググると確かにそんな記事が沢山でる。  えっまじやばくない? キュンと小さくなった。っていうか試した奴いるのかよ。正気とは思えねぇ。外国で試してる動画が1つ出てきたけど生臭そう。ハハハじゃねえよ。これ、まじでやんのか。あのエロババアの前で。それだけで萎える。いや、というかそれ以前に想像すると身悶えするほど嫌。 「俺ちん○なくなるの嫌だぁ~」 「まてまて、流石にやばいなら佐々木さんもなんか言うだろ。明日聞いてみよ? な」
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