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◇◇◇
佐々木さんはすぅと目をそらした。まてやコラ。
「佐々木さん。これ過去に失敗した人いるんだな」
「俺が見てる間はなかったし、親父の代もなかったと聞いてるし」
「……その前は?」
またすぅーと目が逸らされた。まてやコラ。
「神事だから記録は残ってないんだけど、何かあったとは聞いたような聞いてないような。ええっと待って。俺が具体的な話で聞いたのは抜いた時に挿れそこなってエラかなんかに引っかけてちょっと怪我したとかは聞いたことはあるけど、まっすぐ挿れれば大丈夫ときいたような。大丈夫だよね?」
「何故俺に聞く」
「伝承では自分にぴったりな番は自ずと見つかると書いてあった。だから、ぴったりなの探して。な」
な、じゃねぇ。
たまらなく不安になってきた。俺は県外の大学に行って女子とイチャイチャライフを送りたいんだ。県外に出るのはマストだし、ちん○を失うわけにはいかぬのだ。
「佐々木さんの代で何人やった」
「30人くらいかな」
俺が生まれてからこの村を出たのはそのくらいな気がするから、嘘をついてはいないんだろう。事故率はおそらく低い。だが俺のハッピーな大学生活のためにもちん○を失うわけにはいかぬ。大事だから2度言ってみた。
「危ないからって言ってやめるわけにいかないの~?」
「タカシ君、それであの村長が引くならもうなくなってる」
「あぁ~」
「もういい、タカ、自分で調べよう」
「ふぃ~」
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