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プレイリスト 「朝と最低と花柄」
朝は平等だ。
いつ何時でも訪れて、俺の脳を優しく、もしくは乱雑に、どこまでも最低に揺さぶる。
もしも俺が社会の一員として朝は規則的に起きるべき人間だとしたら、きっとこの朝の訪れは相当に最低な出来事になっていたに違いないだろう。
まあ、そうは言っても、今の状況もベクトルは違えど最低に変わりはない。
目が醒めるとなぜかプラットホームのベンチに体を預けていた。
横には同じサークルの女がいる。ゆるゆるに伸びた機能性ゼロのニットの下に薄い花柄のタンクトップを着て、胸を俺の腕に押し付けるように眠っている。それだけでぎょっとする。
思い出したように、頭痛も襲い掛かってくる。どうやら二日酔いらしい。
お互いに衣服を着ている。ここはプラットホームだ。いくら酔っていても、俺はそこまでの過ちを犯すような男ではなかったらしい。何となく安堵した。
別に、セックスしていたとしてもそうでなくとも良いが、どちらかというとこの女とは寝たくない。
それはこいつがブスだとかタイプではないとかいうことではなく、おそらくこのサークルの誰かとなかよしこよしの兄弟になる可能性があるからだ。いくら何でもそれは勘弁したい。
女は俺の腕に、ファンデーションと皮脂の混じった汚物を擦り付けている。
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