「後悔ばかりの君へ贈る言葉」

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 「後悔ばかりの君へ贈る言葉」 【1番】 A:まるでゲームみたいに、やり直したい、この人生。   何十回、何百回思ったって、ただ現実が流れていくだけ。   あのとき、他人(ひと)の気持ちを考えずにいた、   未熟な自分。   大切なものを失って初めて、自分の愚かさに気付いた。   過ちを何度も犯して、何度も失敗して、   孤独なまま後悔してばかりの自分に、嫌気がさす。 B:最初から完璧な人なんていないよ。   誰だって、間違えるんだよ。   いくつもの過ち繰り返して、初めて他人(ひと)の痛みに気付けるんだよ。 ―――――― 【2番】 A:みんなの輪の中で、幸せそうに笑うあの子。   『あの子と入れ替われないかな』、バカみたいに夢見てる。   ――どうして周りが見えなくて、   大切なもの気付けなかったの。――   自分勝手を押しつけてたこと、後悔する毎日で。   いつもずっと胸が痛くて、気を抜くと、泣いてしまう。   壊れたものは、元に戻らない。   あの場所には、もう戻れない。   他人(ひと)から嫌われる自分が、大嫌いな毎日だ。   ――――ねえ、つらいよ。   痛すぎるよ。   目の前が、見えないよ。            ――……誰か、助けてよ。 B:大丈夫だよ。丸っきり前のままじゃなくても、   壊れたものだって、修理ができるんだよ。   もしも戻らなかったとしても、時が流れ、   あたたかい風が新しい出会い運んでくれる。   ――ねえ、傷付くことは、悪いことじゃないんだよ。   痛みを知って初めて、人は“本当の優しさ”わかるんだよ。   どれだけうつむいたって、立ち止まったって、   泣いたって、いいんだよ。   けどその(あと)は顔上げて、   涙の数よりたくさん、笑ってほしい。   大丈夫だよ。   “痛み”を知って、優しくなれた君を見て、   惹かれ、手を差し伸べる人は必ずいるから。   ……僕だって、その1人なんだよ。   ――大丈夫だよ。   いくらでも、僕らは君を待つよ。   そうして、君が前を向けた、そのときには   あたたかい風が吹いて。    その濡れた頬を乾かし、    君を抱きしめ、包みこんでくれるから。――
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