お品書き【三】 栗羊羹 ~神様たちと過ごす日々~

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コンくんの言う通り、今日のおやつは縁側に並んで座って食べることになった。 夏の陽射しは少しばかり強いけれど、涼しげな風鈴の音がそよぐ風とともに暑さを和らげてくれる。 しかも、今日の甘味は特製のシロップがかかったかき氷だった。 茶色のシロップと練乳、そして炊き上がったばかりの小豆が添えられていて、氷はとてもきめ細かい。 なんでも、氷は庭の最奥にある湧き水から作っているものらしい。 どれだけ食べても頭がキーンとならなくて、いくらでも食べられそうだった。 茶色のシロップはほうじ茶を煮出して作られていて、甘さが控えめの練乳との相性が抜群だった。 そこに炊き立ての小豆も加われば、もう頬が落ちてしまうかと思ったくらいだった。 「ひかりは本当においしそうに食べるな」 「だって、本当に美味しいんだもん」 「それほど喜んでもらえると作り甲斐があるよ」 「ねぇ、この小豆の炊き方、教えてくれない?」 「なぜだ?」 庭で遊び始めたコンくんとギンくんを横目に切り出してみると、雨天様が不思議そうな顔をした。 理由を言おうとした唇が一度動きを止め、少し悩んだあとで素直に答えを紡いだ。 「なんとなくなんだけどね……。雨天様の小豆の味って、おばあちゃんが食べさせてくれたものと似てる気がするから」 すると、雨天様が目を小さく見開いた。
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