お品書き【四】 おはぎ ~別れるその日まで~

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「自身の非を認め、すぐに素直に謝罪ができた者は、同じことを繰り返さない努力ができるものなのだ」 きっぱりと断言し、穏やかな笑みを浮かべる。 その瞳は、優しさで満ちていた。 「ひかりは今日、これまでに知らなかったことを知り、反省している。だから、私から学んだことを次に活かしてくれればよい」 間違いを叱ることなく教え、そっと導いてくれる。 ここに来る人たちは、雨天様のこういう優しさにも救われているに違いない。 最初に紡いだ疑問は、あくまで本題への布石のつもりだったけれど……。 雨天様はやっぱり神様なんだと、改めて感じた。 「私の言っていることがわかるか?」 「うん」 「それなら、ひかりはもう同じ間違い繰り返すことはないだろう」 ふわりと破顔されて、ふとおばあちゃんの笑顔が脳裏に過った。 前にも、確かこんなことがあったような気がすると、記憶の糸を辿る。 「あ、そっか……。あの時だ」 「どうかしたのか?」 思わず零れたひとり言に、雨天様が首を傾げている。 私は、そろそろ雨粒を落とし切りそうな空を見上げ、ニッコリと笑った。
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