お品書き【三】 栗羊羹 ~神様たちと過ごす日々~

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朝食のあと、コンくんに屋敷の中を案内してもらった。 片付けを手伝おうとしたら、雨天様に屋敷の中を見るように言われたから、申し訳なさを抱きながらも言われるがままコンくんについて行った。 お風呂や台所はすでに足を踏み入れていたけれど、コンくんは道案内をするかのように一室ずつ回ってくれた。 廊下を始め、部屋はどこもすべて広くて、まさに〝お屋敷〟という言葉がぴったりだと思った。 お客様を迎えた客間とは別にもう一室ある客間が、私が借りた部屋で、ずっと使っていなかったみたい。 今朝は、お客様を迎える客間で朝食を食べたけれど、いつもは居間で食事を摂るのだとか。 「今朝は、きちんと案内していませんでしたので客間にお呼びしましたが、今日の昼食からはこちらにお越しくださいね」 「うん、わかった。でも、どの部屋もすごく広いね」 おばあちゃん家は古かったけれど、おじいちゃんの親がちょっとしたお金持ちだったらしくて、親戚が揃って遊びに来ても充分な部屋があった。 だけど、このお屋敷は比べ物にならない。 「ねぇ、全部で何部屋あるの?」 「風呂場や納戸を覗き、十二にございます」 「十二……」 聞いた答えにポカンとしていると、私の歩幅に合わせながら前を歩いていたコンくんが足を止めた。 お屋敷の最奥に当たる場所に着いたのだと、すぐにわかった。
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