お品書き【三】 栗羊羹 ~神様たちと過ごす日々~

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荷物を準備して再びおばあちゃんの家を後にし、橋場町とは反対側に行くバスに乗った。 これから買い出しに行くようで、今度は私が同行することになった。 「さっきの話なんだけど」 「はい」 「神様とは長く話さない方がいい理由、訊いてもいいかな?」 「ああ、そうですよね。あんな言い方をすれば、ひかり様はご不安ですよね」 「申し訳ございません」と、コンくんがシュンとしたから慌てて首を横に振る。 ただ、周囲の人には聞こえないように、声をひそめることは意識した。 「不安とかじゃないよ! コンくんたちが守ってくれるって言ってくれたし、それは信じてるから。でも、ちょっと気になっちゃって……」 「ひかり様……」 感動したように私の荷物をギュッと抱き締めたコンくんの瞳は、子どもみたいに純粋で可愛らしい。 うんと年上なのはわかっているけれど、母性本能がくすぐられるような気がした。 「えっとですね、話すと言うよりも、関わると言う方が正しいのですが……。別に必ずしも関わり過ぎてはいけないということではないのです。ただ、関わり過ぎることで依存してしまうことがありますので、我々にはそうならないようにする義務があるのです」 わかるような、わからないような……。 そんな気持ちでいると、コンくんが微笑を零した。
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