贈り物は束縛心を満たす

1/1
前へ
/7ページ
次へ

贈り物は束縛心を満たす

 自分がプレゼントした物を身に付けている彼を見ると、嬉しいけど物凄く照れる。  彼は自分の特別な人と、周囲にアピールしているような感じがして。  それが似合ってると、何だか余計に照れる。  あまり直視出来なくて、内心1人でドキドキしている。カッコいいなー似合うなー好きだなーと、さっきから頭の中はその繰り返しだ。バレると恥ずかしいから絶対に口には出さないし、態度にも出さないようにしているが、何と無くバレているような気もする。  結局最後までその気持ちを隠してバイバイした。  かっこよかったなーと思い出してじんわり暖かい気持ちになっていると、電話がかかってきた。  「なあに?どうしたの?」  「お前今日さ、俺の事ずっとカッコいいって思ってただろ?」  「っえ?」  図星過ぎて言葉に詰まる。  「バレてるよ?」  ん?と彼はあたしの返事を待っている。  ニヤニヤしてる顔が目に浮かび、余計に恥ずかしくなって、別に思ってないし?!じゃぁまたね!と通話を切ろうとしたその瞬間、  「そーゆーお前が好きだよ」  と言い残され、勢いのまま通話を切ってしまった。  きっと一生敵わない。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加