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深夜のDVDショップに足を運ぶのは、これが初めてではない。十七の誕生日を迎えてから、僕は親のいない日の深夜にはよくここに来るようになっていた。 地元は学校から少し離れた駅で、同じ最寄りの同級生も特にはいないし、家の近くなので補導される心配もあまりなかった。なので、深夜に家の近くを散歩しようが、DVDショップにいようが、何かそれをとがめるものは特になかったので、気にせず深夜に外出するようになった。 日中はたくさんの人がいるこの場所も、深夜ともなると閑静になる。この時間にたまに見るのは、サラリーマンや中年、学生らしき男ばかりだった。眼鏡をかけた店員たちは、いつもだるそうにレジに立っている。邦画や洋画、アニメ、韓流ドラマのDVDが数多くラックに並べられ、それを横目に見ながら、僕はタイミングを見計らってアダルトコーナーに入る。これが最近の、深夜の日課だった。
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