1人が本棚に入れています
本棚に追加
出会い系サイトでヒロシさんは下手物好きだからヒロコさんを選び、ヒロコさんは利益第一主義だから実業家であり素封家であるヒロシさんを受け入れ、二人は付き合いだしたのでありますが、ユーチューブでヒロコさんの動画を観たヒロシさんは、余りの下劣さに一旦はヒロコさんを嫌悪して暴言を吐いてしまった次第であります。が、時間が経つと、彼は後悔しました。ヒロコさんによって顔に泥を塗られ、恥まで掻かされたヒロシさんでありましたが、ヒロコさんの写真を見るにつけ矢張りヒロコしか俺の好尚に適う者はいない、ヒロコは俺にとって太陽だ、だから今度は必ず南に向けて花を咲かせる辛夷のようにヒロコに対しようとヒロシさんは思い、まずは謝ろうとヒロコさんに電話しました。
「ヒロコ、悪かった」
「えっ」
「謝るよ」
「い、いいんです」
「つい口汚くなってしまって」
「いいんです。私が悪いんです。ケツなんか出してしまったんですもの」
「反省してるのかい?」
「ええ。とっても」
「うん、そうか、それならいいんだ。何しろヒロコがいなくなったら俺は闇の世界に閉ざされる。何たってヒロコは俺の太陽なんだから」
「ひ、ヒロシさん・・・」ヒロコさんは感極まって泣きだしたのでした。
若気の至りと言うか、とんだ失態で玉の輿に乗り損ねたと嘆いていた彼女は、玉の輿復活とばかりに涙を流したのでありました。だから今後も利益第一主義をモットーにヒロシさんの経済力を当てにして彼と付き合い続ける所存のヒロコさんでありました。
最初のコメントを投稿しよう!