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「ちょっと待って。ユウが未来から来た人で、コータは過去から来た人なの? タイムトラベラーなの?」
2人は僕に、そろって頷く。
「じゃあ……コータの場合はさ、過去から来たってことは、ユウと逆ってこと? もうなんでも知ってるユウとはちがって」
「そう、おれは今の世の中のこと、本当は何も知らない」とコータ。
「だから何にでも、リアクションが大きいってこと?」
「そう。小島よしおのおっぱっぴーとか、最近知ったけどマジで革命かと思った」
初見の小島よしおが革命かどうかはさておき、そう言われれば、なんとなく合点がいかないこともない。
彼がめちゃくちゃ古い芸人のネタとかマンガで大笑いしているところ、何度か見たことがある。
とは言え、僕は少し正気に戻る。
「いやいやいや2人とも冗談きついって」
「別に嫌なら信じなくてもいいよ……ただ、冷たい人間だって思われてそうだから、本当のこと言っただけだし」
やばい、ユウが少しすね始めている。
「でも、お前が知らないだけで」
コータが続ける。
「世の中には、特に大学にはちょいちょいタイムトラベラーっているんだよ」
「だって大学ってみんな地元も違うし、その時だけの人間関係が多いじゃない?」
確かにそうだ。
「だからタイムトラベラーが現代でまじってても、あんまり不自然じゃない場所なんだよね。だから結構みんな、トラベル先では大学生として過ごすことを選ぶわけ」
そうなのか。
じゃあ僕が知らないだけで、大学にはもしかしたらこの2人以外にも、未来人や過去人がいるのかもしれない……
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