7034人が本棚に入れています
本棚に追加
一年を過ぎた吉日―――私と壱都さんは結婚式の日を迎えた。
もちろん、壱都さんの立場上、仕事関係の招待客も大勢いて、親しい人だけというわけにはいかなかった。
私は二人だけの式でも十分だったのだけど、井垣グループの社長で白河家の三男という肩書は私が思った以上にすごいものだった。
結婚式費用の額を見た時は卒倒しそうになったけど、これくらいはやらないといけないと白河のお祖父さんから言われてしまった。
チャペルに始まり、ホテルでの披露宴。
その後は電飾したクルーズ船の船上で二次会をし、次の日まで周遊してからまた港に戻り、解散。
貸し切った船は高級クルーズ船で招待客の宿泊もできるようになっており、楽しんでもらうためにレストランやカジノ、音楽の演奏まで準備されている。
「朝早くから準備しているから、疲れたでしょう」
「少しだけ。でも、これからですから」
新婦の控え室に来てくれたのは壱都さんと籍をいれてからも、私をなにかと気にかけてくれている習い事の先生達だった。
「ウェディングドレス、とても似合っているわ」
「綺麗で壱都さんがびっくりするんじゃないかしら」
最初のコメントを投稿しよう!