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「いいわねぇ、ドレス。私達の時は着物がほとんどでしたからね」
親族のいない私が習い事の先生達に親族として参加していただけないかとお願いに行くと、すごく喜んでくれた。
先生達から私に生花の大きなブーケがプレゼントされた。
そのブーケはドレスの色と同じ白い花でカサブランカとカスミソウ、バラに緑の葉が差し込まれたブーケ。
さらにスズランのミニブーケをテーブルごとに作って、飾ってくれた。
ピアノの先生が旦那様からプロポーズの時にプレゼントされたのがスズランだったからと言っていた。
今日も先生は胸元にスズランのブローチをそっと身につけている。
「朱加里さんのドレスはフランス製のウェディングドレスなんですってね」
「壱都さんが選んだんですよ」
ドレスのカタログが大量に届いたのには驚いた。
私に選んでと言ったけど、選びきれず、カタログの山にぐったりと倒れていると壱都さんが気に入ったものをいくつか選んで、その中から私が気に入ったものにした。
ドレスはオフショルダーになっており、後ろには大きなリボン、細かく編まれたレースは見事で素人の私でさえ、素晴らしいと思った。
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