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終わりは突然訪れる
翌日から俺も黒ビキニで『乳しぼり』を始めた。
何分不慣れな事で、最初は時間がかかった。
それでもお客は初心な感じが良いと指名までしてくれる人もいて、稼ぎも順調に伸びていっていた。
俺が人のアレを口にする事にそこまで嫌悪感を抱かなくて済んでいるのは、最初にモリアさんの『乳しぼり』を見せてもらったからかもしれない。
モリアさんの『乳しぼり』は完全に食事なので、俺もこの行為が食事だと割り切る事ができたのだ。
まぁ、飲み込めないけど――。
何人ものお客を捌くモリアさんを見て青ざめたものだが、オーナーにはあの行為を食事だと思わせる事で嫌悪感や罪悪感を和らげる狙いがあったのかもしれない。
*****
大学へ行くと事務に呼ばれた。奨学金を受けてみないかという話だった。
成績と経済状況を知る教授から推薦されたらしい。
ありがたい話だ。
実はバイトを一本に絞ったものの母親からは夜のバイトにいい顔はされていなかった。
勿論仕事内容は内緒だ。絶対に言えない。
だから奨学金の話は渡りに船なのだが――牛乳屋さんを辞めるという事はモリアさんとの繋がりが切れるという事で……。
はぁぁあ…と大きなため息が出た。
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