地下アイドル監禁事件

スカウト(夜)

この後、写真撮影会やグッズ、CD 等の販売があるが、気にせず次の会場へ向かう。
20分掛けて駅へ戻り、さらに1時間半掛けて次のアイドルのイベント会場へ移動する。次のイベント会場は屋内のようだ。近くまで来たが、まだ、3時間前なので近くの喫茶店に入り時間を潰す。少し都会なのでコーヒー1杯600円とやや高めだ。400円のミニパンケーキも追加する。値段はソコソコするが、コーヒーは薄いし、パンケーキは硬いし、完全に外れの店だった……。
(6時か……行こう)
夜のイベントは18時15分からで、昼のイベントと同様に無料で観覧出来るようだ。昼とは違って空席は無い。望遠レンズのカメラ小僧も居ないようだ。
(何でオタクファンがいないんだろう？ 場所間違えたか？)
正はスマホで確認すると理由が分かった。撮影禁止だからのようだ。地下アイドルの収入源はインスタントカメラ撮影による写真販売がメインの為、撮影禁止にするアイドルグループが多い。追っかけファンはその辺りのルールをしっかり守っている。
ピンクを基調としたフリフリのワンピースのアイドルグループが登場した。昼のアイドルグループと比べて、年齢的には変わり無さそうだが、全体的に若く仕上げている。メンバー全体の質も上がっている感じがする。にわかファンというか、たまたま見に来た人達は、スマホ等で写真を撮る。そのようなマナー違反は人が多すぎて取り締まれない。昼のイベントはオタクファンの掛け声が寒いと感じていたが、夜のイベントは観客も多く掛け声が有る事で意外と盛り上がっている。正はアイドルを品定めする。今回も飛び抜けて美人というのは居なかったが、自分好みの子が居たので即決だった。
ショーも終わり握手会が始まった。昼とは違い、握手できるのは推しメンの一人だけのようだ。正はミソラという子の列に並び、昼同様メモを渡した。
(よし、任務完了。あとは、連絡があるかどうかだな)