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多分それは目と目が合って直球で真正面から自分に飛びこんできたのが始まりだったと思う。まわりの風景は消え、ストレートで向かってきたものを避ける暇さえなく、やばーいと心の声が聞こえた瞬間気を失った気がする。
目が覚めると、まるで自分の黒目をオプションで別のカラーに塗り替えたように目の前の人がピンク色に染まって見えた。私は直球返しで鼓動をそのままプレゼントし反応をみる。
しかし私の鼓動はあっさりと指でパチンと弾かれ、フォークで弧を描いた七色の端からこぼれ落ちた。飛んでいった鼓動を拾い、宅急便になりすまして鼓動を届けに行く。弾む鼓動は出来立てのピザと間違えそうになるくらい熱かった。心に突き刺さった矢に愛が生まれ、その口に吸い込まれたいと貴方を見つめる。
待って! と我が身震わす鼓動が山に響き、驚いた雪に足をすくわれ、削ぎ落とされた。
そしてフォークに力が入る。
一目惚れもアイスケーキも冷たすぎて。
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