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なんだか異臭がしてならない。
久保脩は、思いっきり眉間に皺を寄せた。
なんだか不快でいて尚且つ、少しだけクセになるようなそんな臭いがした。
だが、辺りには異臭騒ぎの原因になりそうなものなどありはしない。
強いて言うのであれば、キッチンに捨てられた昨日の生ゴミだろうか。
この時期は、気温が一桁台まで下がることがあるし、それを見計ったようにエアコンが故障している。
だから、一晩でそこまで生ゴミから臭いが出るなんてこと、あまり考えられない。
「兄さん、どうした。顔色悪いけど」
弟の道昭が心配のあまり声を掛けた。
さっきまで、お笑い番組に目が釘付けになっていたのに、兄の異変をいち早く察知した。
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