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「姉貴達は映画見たら飯食いに行くだろ? そん時に興味ないからって適当に話を流すなよ?」
「カズキの話を中途半端に聞くわけ......あるかもしれない」
基本的にレナはカズキの言うことなら殆ど聞き分ける。
彼の前では喧嘩も控えるし、喜びそうな事ならなんでも取り入れる。
だが彼女にはどうしても苦手なものがあったのだ。
「まあ姉貴は本とか、テレビとか見てるといつの間にか寝てるからな」
「ぐっ......! 痛いところつくんじゃねえよ」
このままでは確実に映画後の感想会でやらかすのは目に見えている。
「で、どうすんだ? なんなら対策教えてやろうか? 俺とカズ兄は趣味似てるからある程度予測つくぞ」
ファンシー趣味の弟に頼るなんて姉のプライドが許さなかったが、カズキの悲しむ顔を思い浮かべレナは決心した。
「ーーわかったよ! ......教えてくれ」
「......やっぱり姉貴はカズ兄が絡むと弱えよなー」
「うっせえよ! 早く教えろ!」
「それが人にものを頼む態度かよ? はいはい、分かりましたって」
こうしてデート改め、カズキ攻略会議の幕が上がったのだった。
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