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「どうすっかなぁ......つっても今更どうしようも無いっつー話だけど」
ジャージのポケットに両手を突っ込みながらジロリとヤンキーを睨むと、そのヤンキーは肩を震わせる。
そこで彼女はピンと来た。
「ひっ! な、なんだよ!」
ニヤッと邪悪な笑みを浮かべながらヤンキー座りをするレナに恐れを抱いた不良は逃げ出そうとするが、レナにあっさり掴まってしまう。
「まあまあ落ち着けよ、落ち着けって。 何もしねえから。 まあ逃げようとしたら地の果てまで追ってボコすけど」
「あ、悪魔......!」
最早抵抗する意思すら刈り取られた不良の顔に恐怖の色が滲む。
その表情にがさぞ嬉しいのか、レナは爽やかな笑顔を見せる。
「言うこと聞けばなんもしねえって。 あのよ、あたしの名前広めてくんない? もうブルータルなんちゃらっつーの、消したいんだよ」
「へ?」
「良いだろ? な?」
「いっ! 入ってる! 入ってるって! ああぁぁぁぁ......!」
レナは不良の肩に手を置くと、鎖骨と首もとの間の窪みに親指を沈めていく。
しかも笑顔で。
その悪魔足る所業に耐えきれず泣きながら、敬語で答える。
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