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超・創世記第一章、むかしむかし遠い…
むかし、むかし、遠い観測宇宙のかなたで、二つの小宇宙が巡り合った。
二宇宙はビッグバン直後の第一期インフレーションから生まれた副宇宙と呼ばれるものの一種である。いわば宇宙の子供といったたぐいであろうか。
それぞれは独立して恒星の卵や赤色巨星を育んでいたが齢十億年を数えて立派なコスモスとしてめいめいの人生を歩んでいた。
やがて、内部に知的文明がいくつかめばえ、超光速で意思疎通ができるようになると天文学的規模の情報網が張り巡らされ、それが脳神経系のように機能し始めた。
コスモスは自我に目覚めた。
そしてインフレーションの勢いに乗って広大無辺な宇宙を彷徨ううちに、人生について哲学するまでに成長した。
そんな二人が渦状腕の袖を触れ合ったのはこぐま座星雲のはずれであった…
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