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それは20を越える国の首脳が集まる会議での余興として企画された。
「この装置は、最先端の技術を使用し、地上に起こるあらゆる現象を非常にリアルに再現して見ることができます。それはまさに『実体験』に限りなく近いものです」
世界各国の首脳たちに、自分達が今入っている装置の説明がされていた。彼らには今、周りに、未来的都市とその街で生活している人々の姿が見えている。まさにそれは現実の平和な街角だった。暖かな日の光、人々の息づかいさえ感じられる。
「素晴らしい!」首脳たちは感嘆の声を上げた。
「皆様。こんなのはいかがでしょう?」案内の声が聞こえるとすぐに、前方に大きな恐竜が姿を現した。そして、その恐竜はのっしのっしと歩いて来て、首脳たちの横で口を開けて牙を剥き出して見せ、そして立ち去った。
「はっはっは。本当にスゴイ」首脳は口々に感嘆し、笑い合った。
そしてまた案内人の声が聞こえた。
「では次に参ります。これがこの施設の一番の『売り』でございます」
首脳たちは、遊園地の出し物でも見る気分でワクワクと待った。
係員は装置のメニューを呼び出し『原子爆弾効果再現』を実行して見せた。
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