message1 神様がくれた運命

1/16
前へ
/106ページ
次へ

message1 神様がくれた運命

『探偵殿』へ。 春も終わり日差しが焼きつくこの頃、いかがお過ごしでしょうか。 探偵殿が活動拠点としている東京は、年々気温が上昇しているとの知らせを聞き、体調を崩されぬようにと祈るばかりです。 さて、今回の用件についてですが、多忙であることを承知の上で、誠に勝手ながら仕事の依頼をさせて頂きます。 私はとある組織に所属している者であり、近々にかねて計画していた、連続殺人を遂行する予定にあります。 つきましては、これから私が起こす事件の解明、とあるホテルで行われる連続殺人の謎を、貴方の手で解き明かして頂きたいのです。 無論、連続殺人そのものを止めてもらっても構いませんが、こちらで困難であると断定し、あくまで解明することが条件であると致しました。 場所、日時、経費、報酬に関しては、同付する資料に記載されておりますので、一度お目通しをしてもらえると幸いです。 初めてのことで至らない点も多々ある内容であったかと存じますが、仕事の性質上ご了承頂けると幸いです。 依頼の破棄については連絡不要です、どうしてもということであれば、資料に警察への電話番号が記載されているので、そちらにご一報ください。 それでは当日、探偵殿のご到着を心待ちにしております、不束者ですが何卒よろしくお願いいたします。 『シリアルキラー』より。 P.S. 既に届いている頃かと思いますが、地元名産のスイカを一玉ほど贈らせていただきました。 一人で全て消費するのは大変かもしれませんが、故郷自慢の一品ですので、是非とも味わってくださいね。
/106ページ

最初のコメントを投稿しよう!

52人が本棚に入れています
本棚に追加