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静かな中、電気をつけようとする私に「そのままで」とふっちーが止めた。
「ごめん、紗香。誤解させてごめん。今日も、準備頑張ってくれてありがとう。疑ってごめん」
「うん、私も、ごめん」
「自分が、どれだけ紗香のこと好きかわかった」
「……」
「めっちゃ、好き」
うわぁん!嬉しくてふっちーの方にジャンプして抱きついた。暗いから、テーブルに足ぶつけて痛いけど、ドカァと音がしたから、テーブルの上のケーキが心配だけど、そんな事、どうでも良かった。
私を抱きしめ「浮気してもいいなんて、言うなよ……」と小さな声で言った。自分も言ったくせに。
「したら嫌だからね」
「しねーよ、バカ」
「……ふっちー大好き」
「うん」
そのまま抱き合って、恥ずかしいから電気は後でつけようねって二人で同意した。だけど、目がなれてくると、そのままキスに夢中になった。
このまま、するのかな?と、思ったのにふっちーは立ち上がってパチンと電気をつけた。私もふっちーも真っ赤だった。
「あ、じゃあ乾杯して、食べよう」
無事だったケーキを切り分けて、コーヒーで乾杯(?)して、もくもく食べる。ふっちーは何も喋らない。……あれ?
ふっちーの身体にぴとりくっついてみると、さっと離れる。ムッとして追いかける。離れる。追いかける……
そんな地味なデッドヒートを繰り広げると、「ストップ」と言われてしまった。
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