vol.2

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もう一度、ふっちーの気持ちを取り戻したくて、誕生日に命をかけてた私の、本意とはすこしずれてしまったけれど、私たちは元の、それ以上のらっぶらぶになった。 ふっちーからも不満を言われてしまった。 「さすがに夜に男入れるのやめろ。いや、昼でもダメ」 「はい」 「どこでバイトしてるか、ちゃんと言ってくれよ」 「はい」 「サークルだって、違うのに入り直したらちゃんと言え」 「はい」 「あと、酒の出てくるバイトは嫌だって」 「はい」 愛されてるって感じがして嬉しい。 「ニヤニヤしてんじゃねえ」 「はい」 「それと、これからは素っぴん見せるのは俺だけにして」 「……はい」 愛されてるって感じじゃなくって、私は愛されてる。ふふふ。 ──── その後、メイクとか服とかの話をするのに真希さんと朱里を会わせると二人も仲良くなった。それから、魚住さんの誕生日プレゼントに悩む真希さんに、今度は私が「スニーカー、バッグ、服、スマートウォッチ、フライパン、スピーカー、たこ焼きも焼けるホットプレート。このあたりどうですか?」 と、アドバイス出来た。 あとね、 「これ、インディーズだけど、ふっちー好きだと思う」と、魚住さんがふっちーに片方のイヤホンを渡す。 「まじっす? おー、いい、めっちゃいい」 ふっちーと魚住さんも仲良くなった。因みに二人が仲良くなったきっかけは、北山さんが嫌いだという共通点から。あいつの唯一したいい仕事。 私も芽以と菜月ともっと仲良くなったし、津守くんともちょっとだけ仲良くなった。 私の作った人脈からふっちーへ。ふっちーの作った人脈から私へ広がって、大学生活はもっと楽しいものになった。
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