1118人が本棚に入れています
本棚に追加
/192ページ
──……
俺が、紗香の浮気相手だと思ってた人とは(滅多に出ない)講義で一緒になった。
「あ」
向こうは俺に面識がないってのについ声に出してしまった。その人、魚住さんは俺の顔から下まで一気に視線を走らせると
「あ、紗香ちゃんの彼氏だ!」
クラブジャージで気づいたらしい。
「はい」
そこからつい、紗香がした短期バイトが気に入らなかったと伝わるニュアンスで話してしまった。「あの日めっちゃタバコ臭くて……」しまった。と思ったけど、魚住さんは気を悪くしたでもなく、その日の状況を説明してくれた。紗香からだいたい聞いてたけど、ちゃちい嫉妬に恥ずかしい。
紗香が魚住さんが、そこで絡んで来た男から助けてくれたって言ってたのに。「すみません。紗香が助けて貰ったって……ありがとうございました」
「いや、俺が誘ったんだし。当然だよ。あいつ、クソだからな。知ってる? テニスサークルの……」
そこで合点がいった。北山が俺にあることないことからんで来た意味が。あいつ、紗香を気に入ってたんだ。
とにかく、そこから北山の悪口で盛り上がってしまった。
そこから、そのイベントのバンドの話とか音楽の話を楽しそうにしてくれた。俺が好きなバンドもあって、すごい盛り上がった。魚住さんの彼女が紗香と同じマンションで仲良くしてるらしい。
『サークルの先輩』は、とってもいい人たちだった。
魚住さん。疑ってごめんなさい。
紗香はいつの間にか○ニスサークルじゃなくて、お散歩サークルに入っていた。言えよ!
そこには芽以と菜月もいるらしい。あの二人がいるなら、安心だ。絶対にほのぼの系だから。
最初のコメントを投稿しよう!