vol.2

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──── 「なーんか、懐かしいね」 「ほんと」 朱里と観客席でコートを見下ろしていた。あの頃と違うのは、少ししかないフロアから見るんじゃなくて、何千という観客席のある、試合の規模。 「あー、もう、雅紀格好いい!」 まだフロアに出てきただけのふっちーを見つけて言った。朱里が私に驚いたような目を向けてくる。あれ、どうした? 「『雅紀』?」 「あ、違うの違うの、呼んでみただけで、ははは」 「ええ、今さら! 何よ初々しいわね」 と、笑われてしまった。 「うん、まだドキドキする」 「ふっ、紗香は」 「へ? 何それ」 「さ、応援しよ。動画撮らないの?」 「うん。あんなに格好いいんだからさ、直接目に焼き付けたい」 「そうだね」 私たちは同じ気持ちで笑いあった。 「ねえ、朱里、最高だね」 「うん、最高!」 「「campuslife」」 私たちのcampuslifeはこれなしでは語れない。あの時と同じくらい。それ以上にドキドキしてる。 朱里も私も、精一杯の声援を送った。 ふっちーが、私に目を向けて笑ってくれた。……気がする。(遠い!) ────end
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